MADE IN CHINA

先にお断りしておきますが、私は中国製のものが良いとか素晴らしいとか、そういうことを言いたいわけではありません。ただ、MADE IN CHINAを全否定するのはちょっともったいないんじゃないかな?ってことです。

日本で敬遠されがちなMADE IN CHINAですが、その理由はおおよそ次のようなものでしょう。

1.中国産の商品を買って失敗したことがある

2.中国産の商品の評価(レビュー)がひどい

3.国産品よりも安いのでその分品質が悪いと思っている

4.世間の風潮で中国という国そのもののイメージが悪い

5.中国人は商品を作るのも検品も適当にしている(イメージ)

6.中国人は少々粗悪品が混じっていても気にしない(イメージ)

これ、当たっている部分が多いんですが、100%そうではないんですよ。たとえば5や6にある「中国人」っていう括りも勝手なイメージです。几帳面で丁寧な仕事をする中国人だっているんですよ。実際に中国に行ったことがある日本人がどれくらいいるかは知りませんし、観光旅行くらいでは中国の本質は見えてこないと思います。私自身も、そこまで深く関わっているわけではありませんが、ビジネスでお会いする中国の方には、日本人寄りの考え方(顧客ファースト)の人がたくさんいます。日本人でも、だらしがない人っていますよね。信頼できる人かどうかというのは、国籍で決めるものではありません。

1個150円の青森県産のリンゴと1個100円の県外産のリンゴが売られていて、どちらもそこそこの味だったとします。青森県産のリンゴを買った人は「さすが青森県産はハズレがないな」と思うでしょうし、県外産のリンゴを買った人は「まあ、100円のリンゴはこんなものだろう。青森県産はもっとおいしいんだろうな」と思うでしょう。同じ味でも「青森県産>県外産」という概念は崩さずに評価されてしまいます。固定概念はそこまで評価を左右するんです。世の中には、それこそおいしくない青森県産のリンゴだってあるでしょうし、めちゃくちゃおいしい県外産のリンゴもあるんですよ。「青森県産=おいしい」と一括りにして考えるから、ひとつひとつの商品に公平な評価ができないんです。

「中国産=粗悪品」というイメージはあると思いますが、評価の軸をそこに置いてしまうとブレてしまいます。まったく同じものなのに、倍の値段がする国産品を買ってしまうのは非常にもったいないことです。「日本人なら国産品を買って日本経済を支えろよ」ってお言葉はもっともですが、現代日本では100%国産品だけでは生活できません。シャープやSONY、富士通がどんなに頑張っても、日本ではiPhoneがシェア率トップです。100円ショップの商品はほとんどが外国産です。せめて食材だけは輸入品を買わないようにしている人もいると思いますが、外食や中食(冷凍食品など)は輸入食材が多く使われています。国産品に、差額に見合うだけの付加価値があれば別ですが、いずれにしても商品の原産国ではなく、商品の価値を見て選択するべきだと思います。MADE IN CHINAを買わないのではなくて、MADE IN CHINAの中に紛れ込んでいる粗悪品を掴まないようにすることが大事です。

ここからは、ネットショップ(特にAmazon)で粗悪な中国産品を買ってしまうリスクを下げる方法を解説します。

1.販売元を調べる

その商品をだれが売っているのか販売元を調べましょう。Amazonであれば商品ページ内に販売元へのリンクがあります。その他のネットショップでも、会社概要などは調べられるようになっているはずです。なぜなら、小売販売には「特定商取引に基づく表記」として、販売者情報を公開する義務があるからです。

販売元の情報がどこにも表記されていないような場合は「まともな販売者ではない」という可能性が高まりますので、購入は控えた方が良いでしょう。商品や配送にトラブルがあっても、連絡することができません。このような販売者の場合は、Amazonや楽天市場などのモール管理元に訴えても解決できる可能性は低いです。

販売元が中国の企業だった場合はどうでしょうか。「特定商取引に基づく表記」として、正直に中国の住所などを記載している点は評価できます。ただ、問題は日本語対応が可能かどうかということです。それは商品ページを見ればおおよその判断は可能です。商品説明文が、翻訳機で直訳したようなおかしな日本語の場合は、日本語対応は期待できないと思ってよいでしょう。

じゃあ、結局国産品を買えってこと?ってなりますけど、そうではありません。MADE IN CHINAの商品を購入するなら、日本の店舗(企業)から購入するのが一番安心で、国産品よりもコストパフォーマンスも高くお得です。ただし、中国産の商品を販売している日本のショップ(企業)には2通りの形態がありますので、その見極めは大切です。

 A.日本で企画考案したものを中国の工場で生産している場合(OEMなど)

 B.中国で流通しているものを格安で購入し日本国内で販売している場合(輸入せどりなど)

安全度はA>Bです。Aはいわゆる自社ブランド商品ですので、低品質なものを販売するわけにはいきません。粗悪品を販売していたのではショップ(企業)の評判を落としかねません。自社ブランドと言っても有名ブランドに限ったことではなく、しっかりとリサーチをした中国工場で生産し、きちんと検品をした商品を販売している小規模店舗(企業)もたくさんあります。たとえMADE IN CHINAでも、商品に対する責任を負っているわけですから、中国企業が直接販売しているところで購入するよりもずっと安心です。

しかし、Bのような場合は気を付けなければいけません。たとえば、スマホの充電ケーブルなどは日本では数百円しますよね。どんなに安くても100円ショップで買えるものが最安値でしょう。しかし、中国のネットショップには1本あたり数十円で売っているところがザラにあります。そういったところから国際便で購入し、日本のネットショップで数百円で販売すれば結構利益率は期待できます。このように、中国ですでに流通している(品質が)怪しいものを、ろくに検品もせずに日本国内で販売している輩が少なからずいます。これらの商品ページは、往々にして誇張した表現が多かったり、やたらと派手に加工された画像が使用されていたりますので、見抜くのは難しくはありません。

2.売り方を見極める

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのモール型ネットショップの場合、同じような商品が乱立しているため、自社商品をなんとかアピールしたいという気持ちは、どの販売者も同じだと思います。しかし、そこでショッピングモールのルールを破ってまで売ろうとしているショップには注意が必要です。ズルをしてまで売ろうとするのは、商品力に自信がないからにほかなりません。ルール違反の例としては、次のようなものが挙げられます。

 A.メイン画像に商品のみが写った白背景の画像を使用していない(Amazon)

 B.プレゼントやクーポンなどと引き換えにレビューを要求する

 C.不正レビューを使って高評価な商品だと錯覚させる

Aは意外と知られていません。販売者としてAmazonに出品したことがなければ意識することもないと思いますが、メイン画像の加工はルール違反です。文字やロゴマークを入れてもいけません。また、背景は純粋な白色でなければいけません。家具などは、部屋に設置された画像を使うと素敵に見えますが、対象の家具だけが写った白色背景の画像をメイン画像にしなければならないというルールがあります。商品名を入れて検索したときに、ほかよりも目立つ画像があったとしても、ルール違反の画像を使っているショップから購入するのはお勧めできません。

Bはよく見る手法です。しかし、レビュー投稿に対して何らかの見返りを約束するというのは、ほとんどのショッピングモールで禁止されています。「レビューが多い」=「人気商品」とは限りません。違反を犯してまでレビューを集めるようなショップは信用しなことです。

レビューと言えばCはさらに悪質です。前述した中国企業が直接日本のショッピングモールに出品している場合などに、特に多いので気を付けましょう。どうやら、お金を払えば第三者を雇ってレビューを大量に取得できるような仕組みがあるようです。これらは「高評価ばかりが多い」「抽象的な表現で褒めるだけの内容が多い」「レビュー投稿者の名前にフルネームの日本人名が多い」などの特徴があります。通常、何もしなければ、レビューを書いてもらえる確率は100件に1件だそうです。数十個のレビューが集まれば、中には当然低評価のものも混ざります。どんなに素晴らしい商品でも、購入者に合う合わないは必ずありますので、ほとんどが星5なんていうのは通常ありえません。また、レビュー投稿の際に本名をフルネームで公開している購入者など、日本ではほとんどいませんので偽レビューであるということは容易に想像がつきます。

信憑性がある記事はこちら
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/011700016/?P=1

国産の材料で日本人が作ったものを国内で販売するというのは、今や贅沢な話です。デフレが進んだ日本社会において、安価な輸入品は無くてはならない存在なのです。そんな中、必要となってくるのは商品の価値を見抜く目です。MADE IN CHINAを片っ端から否定するのではなく、悪質な販売者から購入しないようにすれば、コストパフォーマンスが高い生活を送ることができると思います。

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